ATS25 で JTTY を受信:WSJT-X の新しいテキストモードを GOLDENRADIO で

JTTY は WSJT-X プロジェクトが開発した新しいテキストモードで、WSJT-X 3.2.0-rc1 で登場しました。GOLDENRADIO 2.2.9 には JTTY 専用の受信画面が加わり、パソコンも WiFi も時刻合わせもなしに、ラジオの画面で JTTY のメッセージを直接読めるようになりました。しかも、複数の信号を同時に追いかけられます。
この記事では、JTTY とはどんなモードか、そして受信するためのラジオの設定について説明します。
JTTY とは
JTTY は、短いテキストメッセージをいくつものフレームに分けて順番に送ります。1 フレームの長さは 1.888 秒で、31.25 Hz 間隔の 4 つの音声トーンを使います(31.25 ボーの 4-GFSK)。最も低いトーンと最も高いトーンの差は 100 Hz もないので、JTTY はとても狭帯域なモードです。
各フレームには、メッセージのごく一部が強力な誤り保護付きで載っています。データは 12 ビットの CRC でチェックされ、受信エラーの多くを訂正できる畳み込み符号で符号化されています。メッセージの最後のフレームには、メッセージの終わり(EOM)を示す印が付きます。
1 つのフレームに載せられる内容は JTTY のフォーマットで決められていて、いくつかの種類があります。コールサインと呼び出しの動作、64 文字の文字セットによるフリーテキスト、数値や場所、グリッドロケーター、ゾーン・クラス・セクションといったコンテストナンバー、シリアル番号と時刻、それに決まった制御用フレーズです。
FT8 と違い、JTTY には決まったタイムスロットがありません。フレームはいつ始まってもよいので、受信側は常にフレームを探し続けます。
用意するもの
- デコーダー用の音声入力を備えた機種:JTTY ボタンは、FT8 デコーダーが使えるのと同じ機種で使えます。その入力がない機種では、ボタンは押せません。
- GOLDENRADIO 2.2.9 以降。Web インストーラーからインストールします。
- ほかには何もいりません。WiFi も、UTC への時刻合わせも、パソコンも不要です。
同時に追える信号の数は、機種とラジオの空きメモリによって変わります。ATS25 Ultra では、最大 10 チャンネルの同時受信を確認しています。
JTTY を受信する手順
- ラジオを USB(上側波帯)モードにして、JTTY の運用が行われている周波数に合わせます。JTTY は新しいモードなので、いま使われている周波数は WSJT-X のドキュメントや仲間のコミュニティで確かめてください。
- DIGI メニューを開き、FT8 の右にある JTTY を押します。
- オーディオフィルターの帯域幅を、信号の 4 つのトーンがすべて入る幅に設定します。
- F0 欄には、最も低いトーンの音声周波数が表示されます(初期値は 1500 Hz)。スペクトラム上には色付きのマーカーが 4 本表示され、4 つのトーンが来るはずの位置を示します。
- AUTO をオフにすると、ラジオは手動モードになり、どの信号を追うかを自分で決められます。スペクトラム上で、その信号の最も低いトーンをタップします。
- トーンの並びが逆になっている信号の場合は、REV を押します。
- スケルチの初期値は 10 です。信号が弱くて何もデコードされないときは、下げてみてください。
JTTY の設定はほかのデジタルモードの設定とは別に保存されるので、片方を変えてもほかのモードには影響しません。

AUTO で複数の信号を受信する
試験的な機能である AUTO モードでは、ラジオが音声帯域の中から JTTY 信号を自動で探します。
AUTO をオフにした手動モードでは、チャンネルを 1 つだけ選んで、そのチャンネルだけを追います。そのテキストはメッセージ表示エリア全体を使って表示されます。
メッセージの表示
チャンネルごとに画面上の 1 行が割り当てられ、行の先頭にはそのチャンネルの音声周波数が表示されます。受信し終えたメッセージは同じ行に スペースで区切って追加されていき、行がいっぱいになると、古い文字から左へ押し出されて消えます。この行は 2 列に並びます。
GOLDENRADIO は、デコードの途中で文字を表示することはありません。メッセージのフレームを集めておき、メッセージの終わり(EOM)が届いたところで初めてテキストを表示します。1 つのメッセージは最大 16 フレーム、最大 80 文字です。
音声の途切れ、リセット、同調や REV の変更などでメッセージが途中で途切れると、そのメッセージは捨てられ、表示されません。ラジオの同調や REV を変えると、動作中のすべてのチャンネルで、受信途中のメッセージが途切れます。その次の完全なメッセージからは普通に受信できます。
JTTY のフォーマットには、メッセージの始まりを示す印もフレーム番号もありません。送信の途中から受信し始めた場合、最初に表示されるメッセージは先頭が欠けていることがあります。
ステータス表示には各チャンネルの状態が表示され、正しいフレームを受信するたびに、またメッセージを受信し終えるたびに知らせます。パソコンとの USB 接続を有効にしている場合は、ほかの GOLDENRADIO のデコーダーと同じように、受信したメッセージが USB 経由でも出力されます。
WSJT-X の公式サンプルで検証済み
このデコーダーは、WSJT-X プロジェクトが公開している JTTY のフォーマットに沿って作られています。WSJT-X の公式 JTTY 音声サンプルを使って検証しており、2 種類のサンプリングレートのどちらでも、次のメッセージを欠けなく、ちょうど 1 回だけデコードできることを条件にしています。
RAN ALL NIGHT ON BAND NOISE - NO FALSE DECODES!
同じテストで、5 分間のノイズだけの音声から何も出力されないこと、同時に出ている 2 つの信号がどちらもデコードされること、そしてメッセージの途中でリセット・同調の変更・途切れがあっても、途中までのメッセージが表示されることは決してないことも確かめています。
さらに詳しく知るには
- JTTY の設計とフレーム構造(WSJT-X プロジェクト)
- JTTY 公式音声サンプル
お手持ちの ATS25 で JTTY を受信できたら、support@golden-radio.com まで様子をお知らせください。実際の受信局からのレポートは、デコーダーの改良に役立ちます。